大泉洋 もっと伝えたい、感動を。
沙村広明「波よ聞いてくれ 4巻」、引き続き感想です。
ネタバレというほどではないですが、既に読んだ方むけとなっております。
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4巻は表層のストーリーがぐいぐい動くというよりは、奥の方の大きな本筋が―何か沼の主みたいなものがぬらりと巨大な背びれを見せたような、そんな印象を持った。
そのひとつが①で触れた「あれはラジオの面白さじゃなくて貴女自身の面白さよね」問題。
「自分にしか興味ない」「歩く放送事故みたいな」「面白い人」ミナレが、「ラジオの面白さ」と向き合うのか向き合わないのか。
延いては「面白いキャラが面白いことをするのが面白い漫画」なのか「漫画の面白さとは何なのか」問題。(あくまでも私見です)
そしてもうひとつの大きなポイントが「ミナレ」という名前に込められた意味だ。
第28話「電話じゃ話せない」では、ミナレの父がミナレの由来について話すが…
・週刊誌の見出し「美熟女」から「美熟(みなれ)」
・3人の愛人の名前から一文字ずつとった(ミチル・ナツコ・レイコ)
どこまで本当だかわからないがとにかくろくでもない話で笑わせにくる…
と見せかけて、そこへ突如麻藤の回想が挟まれる。
ロンドンから帰ってきたと思しきシセル光明が麻藤に語る。
「誰かを笑いモノにするんじゃなくて自分が恥をかいて起こる笑いが一番尊いよ」
そしてアイヌ語の資料を眺めながらこう話す。
「くだらない事考えてたよ…
もし自分に子供ができたらこんな名前つけるかもしれないって
『笑わせる(ミナ・レ)』」
ついに出た。
ここへ来てようやくシセルとミナレが繋がった。
鼓田家の両親がミナレの生物的な親であることが間違いないが、“シセルとミナレが似ている”のはこの意味においてであった。
“出先で凄惨な事故に”遭って夭逝した(?)シセルの“子供”を麻藤はミナレに見ている。
(ちなみにシセル光明って、星の王子様のような話し方をしますね。砂漠で金色の蛇に自分を噛ませて、小さな星へ帰ってしまいそう)
声が似ているわけでも血が繋がっているわけでもないミナレだが、この物語の中ではシセルの継承者なのだ。あるいは、その精神の実践者。
この4巻ででたらめな名づけの由来を語ったミナレ父だが、2巻第15話ではミナレにこう語りかける。それは不思議とシセルが語った言葉と符合する。
「どんな仕事に就いてもいい―
周りから笑われる人間になれ
それが一番大切」
作者がこの「ミナレ」という名前に込めた意味がここで明らかになった。
ラジオの(漫画の)面白さとは?
一番尊い笑いとは?
即興演奏のように見せつつ、すべてのコマでふざけ倒しながらも、構成は骨太だ。
しかし、あくまでもただただ饒舌にストーリーは進んでゆく。
さらに周囲の人物も動きを見せ始める。
城華マキエは放送作家方面になるのか?
そしていずれミナレに関わることにならないわけがない。
早く続きを読ませてくれっへえエエ~~!(ミナレのタイトルコール風に読んで頂きたい!)
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さて蛇足ではありますが…
・北海道
・放送
・自分が恥をかいて起こる笑い
・喋り手をギリギリまで追い込んで喋らせたら何を言い出すのか
・…命をなんだと思っている
という一連のワードから連想するのは大泉洋。
この漫画の中のラジオ番組の内容と水曜どうでしょうは全然違いますけどね。
試される大地はこういうものを育みがちなのでしょうか。
とりあえず、カバーも外して読むべし読むべし。
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大泉洋の情報沢山
<映画鑑賞ネタ 第255作目>
『青天の霹靂』 鑑賞日 2017年8月15日(火)
出 演 大泉洋 柴咲コウ 劇団ひとり 笹野高史 風間杜夫 他
監 督 劇団ひとり 原 作 劇団ひとり
脚 本 劇団ひとり 橋部敦子
ジャンル 邦画ドラマ・ファンタジー 2014年作品
※2度目の鑑賞、NHKBSプレミアムにて録画。 それでは、レビューです。
小説家としてのデビュー作「陰日向に咲く」が100万部を超え、マルチタレントとして活躍する劇団ひとりが、自らの小説であるこの作品をを映画化したもの。
まずは、原作者の劇団ひとりを褒めたい。
正直言って、良い作品だ。
ストーリーの展開はすぐに読めるんだけど、それでもたくさん泣けた!
天涯孤独で売れないマジシャンが落雷で40年前の浅草にタイムスリップ。
現代では売れていなくても、40年前なら見事なマジックとして一躍人気者。
その時にタッグを組むことになるのが実の父親だった。
天涯孤独で、両親のことをどうしようもない親だと思っていた轟は、40年前の世界で自分の両親と出会い、本当はそうでなかったことを知る。
そして、自分の出自の秘密を知る。
笑いにたくさんの涙あり。
キャストも素晴らしい。 主役の大泉洋、こういった映画にはこの人が最高だね。
そして、劇団ひとり、俳優としても良い味出している。
ちょっと褒めすぎかな?
いやぁ、映画ってホント面白いですね。
評価点は ☆☆☆☆★(4.6点)
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大泉洋 ビミョーに非日常系学園ストーリー!
これから発掘のため目的地に入るおやすみ!
あの、、本当に出てしまいました https://t.co/24Yw3emDnd