健康サンダルとは違うのだよ

さん(@grace.nana)がシェアした投稿 – 2018年Jul月30日am7時39分PDT

私達派遣スタッフは２週間ごとに支店をドサ廻りのように廻って行く。

そこでロッカーや食堂も利用させてくれる。

新人に接客させて事務ミスがなければ、時々サポートしながら、ノルマをこなす。

その大型支店も、相変わらず入れ食い状態だった。
そのコーナーには、銀行の名札をした健康サンダル履いた４０歳代後半の男性が足しげくやって来る。

何せこちらは、新人も見なきゃいけないし接客もしなくてはならない。

何となくその健康サンダルには私の好きなしもべの匂いがした。

『コピー取りに行ける？』と聞くと、取って来る。『ホチキス借りて来られる？』と聞くと借りて来る。

３月上旬は、客の出入りの激しいＡＴＭコーナーは寒い彡(-_-；)彡

『寒いね！』と言うと何処からか電気ストーブを持って来る。

新人を抱えながら通常200件取れたら大喝采の中300件取れた。

私は派遣スタッフ…つまりパートだから、課長代理に全ての印鑑を毎日貰う。

いよいよ最終日に私は健康サンダルにお礼が言いたかった。
しかし、健康サンダルは銀行員には間違いないが部署がわからない(o・ω・o)？

親しくなった課長代理に私はそっと聞いた。
『健康サンダルを履いたおばけのＱ太郎に出て来るラーメンの小池さんに似た方知りませんかねぇ～』
一瞬課長代理は固まったような感じで『それは支店長ではありませんか？』

私ははっきりと明言した。『いや支店長ではありません！』
別に支店長の顔を知っている訳ではなかった。

支店長の威厳が健康サンダルにはなかった！

課長代理は済まなそうに『小林さん～こちらの柱の陰に支店長席がありますから～』としつこく言うので、そっと覗いた。

『ウワッ！』
健康サンダルが部下に命令していた。

『どうですかねぇ～』
支店長だったでしょう～と言いたげな課長代理だった。

しかし、支店長だったからといって逃げる訳にはいかない。

私は満面の笑みを浮かべ『あらぁまぁまぁまぁ～支店長でしたかo(^-^)o知らぬこととはいえ…大変失礼致しました。御蔭様でご支店の成績も上がりましたので、これで失礼致します。いろいろご協力ありがとうございました。』
と言って逃げようとする私に…

支店長は『そうはいきませんよ！小林さん』と私の背中に健康サンダルが威厳を持って言い切った。